有価証券について考えるとき、
「制度が難しそう」 「専門的な知識が必要そう」 と感じる方は少なくありません。

 

しかし、 事前準備という点で見ると、 必ずしも難しいことをする必要はありません。

大切なのは、 有価証券をどう引き継ぐつもりなのか、 その前提を家族で共有できているかどうかです。

有価証券を 「有価証券のまま」引き継ぐ場合、 実務上は 同一の金融機関で口座を開設している必要があります。

 

そのため、

 

・家族が同じ金融機関に口座を持っているか
・そもそも口座を持っているか

 

こうした点は、
事前に確認しておくだけでも
大きな意味があります。

 

また、

 

・いつ頃から取引をしているのか
・いつ頃、その口座を開設したのか

 

こうした情報が分かっているだけで、 相続や承継の場面で話がスムーズに進むこともあります。

 

とはいえ、 縁ディングノートにすべて正確に書き出す必要はありません。口座の種別や制度の違いまで、 細かく整理しなくても大丈夫です。

 

縁ディングノートの役割は、 完璧な情報を残すことではありません。

 

「どこの金融機関を使っているのか」

「誰が、どこまで把握しているのか」

 

そうした点を家族で話すきっかけをつくることにあります。

ちなみに、 日本証券業協会の公表データによると、
NISA口座は2025年6月末時点で約2,696万口座に達しています。

 

さらに、
全金融機関におけるNISAでの新規買付額は、 同じく2025年6月末時点までの累計で
約63.1兆円にのぼります。

 

これだけ多くの人が、 日常的な資産形成として 有価証券に関わっている今、
「うちは関係ない」と 言い切ることは難しくなってきているのかもしれません。

 

現場では「情報がなかった」ことよりも、 話し合われていなかったことが、 家族を困らせてしまう場面を多く見かけます。

 

有価証券についても同じです。

 

すべてを決めておく必要はありません。
でも、

 

「引き継ぐとしたら、どうなるんだろう?」

「誰が困るんだろう?」

 

そんな話を、 元気なうちに一度でもできているかどうか。

その違いが、 あとから家族を助けるかどうかを 大きく分けます。

 

縁ディングノートは、 準備のためのノートであると同時に、 話し合いの入口でもあります。

有価証券についても、 「正しく書く」より 「話せているか」を大切にしてみてください。

 

 

次回予告

 

※次回掲載日:12月8日

 

次回は、
全5回のまとめとして、
「それでも縁ディングノートを書く意味」
についてお話しします。

 

年末、家族が集まるタイミングだからこそ
考えてほしい視点を
整理していきます。