「あれ、お母さんに聞いておけばよかったな」――その質問に気づいたとき、もう答えてくれる人はいないことがあります。
お盆になると、亡くなった家族のことを思い出す機会が増えます。
お墓参りをしたり、仏壇に手を合わせたり。
久しぶりに家族が集まり、昔の話に花が咲くこともあるでしょう。
そんなとき、ふと気づくことがあります。
「お父さんは、子どもの頃どんな子だったんだろう」
「お母さんは、どうしてお父さんと結婚したんだろう」
「おばあちゃんが一番幸せだったのは、いつだったんだろう」
そして、もっと現実的なこともあります。
「もしものとき、どこで最期を迎えたかったんだろう」
「大切にしていたものは、誰に託したかったんだろう」
「本当は、どんなお葬式を望んでいたんだろう」
人は、いなくなって初めて、
聞きたかったことがたくさんあったことに気づくのかもしれません。
縁ディングノートは、「死後の指示書」ではありません
エンディングノートという言葉から、
財産のことを書くもの。
葬儀やお墓の希望を書くもの。
高齢になってから書くもの。
そんなイメージを持っている方も少なくありません。
けれど、私たちが大切にしている「縁ディングノート」は、それだけではありません。
縁ディングノートとは、人生の最期を準備するためだけのノートではなく、これまでの人生を振り返り、今を見つめ、これからどう生きたいのかを考え、大切な人へ想いをつないでいくためのものです。
だから、全部のページを埋める必要もありません。
むしろ、
「ここは書けない」
「まだ決められない」
「考えたこともなかった」
そんなページにこそ、その人自身を知るための大切な入口があります。
必要なのは「書かせる人」ではなく「問いを渡せる人」
実際に縁ディングノートに向き合うと、手が止まることがあります。
「人生で一番大切にしてきたことは何ですか」
そう聞かれて、すぐに答えられる人ばかりではありません。
だからこそ、その隣で、
「決めなくても大丈夫ですよ」
「昔好きだったことから思い出してみませんか」
「ご家族に聞いてみるのもいいですね」
と寄り添える人が必要です。
縁ディングノートプランナーは、答えを教える人ではありません。
その人自身の中にある答えに気づくための“問い”を手渡し、人生を整理する時間に伴走する人です。
これは、相続や終活の知識だけではできないことです。
人の話を聴くこと。
価値観の違いを尊重すること。
答えを急がせないこと。
そして、その人が大切にしているものを一緒に見つけていくこと。
そこには、学ぶべき考え方と技術があります。
お盆は、「聞いておけばよかった」を「今、聞いてみよう」に変えられる
今年のお盆、家族が集まったら、
終活の話を無理にする必要はありません。
「遺言書は?」
「財産は?」
「お墓はどうするの?」
そんな話から始めなくてもいいのです。
たとえば、
「子どもの頃、何になりたかった?」
「今までで一番うれしかったことって何?」
「もう一度行きたい場所はある?」
そんな質問を一つしてみてください。
そこから、初めて聞く物語が始まるかもしれません。
そしてその会話は、
いつか家族にとって、何にも代えがたい贈り物になるはずです。
縁ディングノートは、人生を閉じるためのノートではありません。
人と人との「縁」を、次へつないでいくノートです。
そして、その時間を誰かに届けられる人を増やしたい。
もし、
「家族だけでなく、誰かの人生にもこんな時間を届けてみたい」
「終活を、もっと前向きに伝えられる人になりたい」
「人の人生に寄り添うための聴き方や問いかけ方を学びたい」
そう感じたなら。
それは、縁ディングノートプランナーという学びへの最初の一歩なのかもしれません。
よくあるご質問
Q. 縁ディングノートとは何ですか?
縁ディングノートは、人生の最期の希望だけを書くノートではありません。
これまで歩んできた人生を振り返り、今の自分を見つめ、これからどのように生きたいのかを考えながら、家族や大切な人へ想いをつないでいくためのノートです。
一般的なエンディングノートで扱われる財産、医療・介護、葬儀、お墓などに加え、「自分が大切にしてきたこと」「伝えておきたい想い」などにも向き合います。
すべての項目を書き切ることが目的ではなく、書けないことや迷うことも含めて、自分自身を知るきっかけにしていくことを大切にしています。
Q. 縁ディングノートプランナーとは、どのような資格ですか?
縁ディングノートプランナーは、縁ディングノートを通じて、その人らしい人生やこれからを考える時間に伴走するための学びを修めた人です。
単にノートの書き方を説明したり、空欄を埋めてもらったりすることが役割ではありません。
相手の話を聴き、価値観を尊重し、適切な問いかけによって、その人自身が自分の想いや希望に気づいていく過程を支援します。
相続や終活に関わる仕事をしている方はもちろん、介護・医療・保険など人の人生に関わる仕事をしている方、地域で終活を伝えていきたい方、まずは自分や家族のために学びたい方にも活かすことができます。
終活について「教えられる人」になるだけではなく、
誰かの人生に丁寧に寄り添える人になる。
それが、縁ディングノートプランナーという学びの大切な目的です。
(文責:代表理事 一橋香織)