縁ディングノートには無限の力があります。協会でもそのようにお伝えしています。何歳から書き始めても新たな気づきがあり、セミナー講師としても様々な業界とコラボしたり、20代から90代まで幅広い年齢層の方々に伝えてきました。
著者自身も35歳から縁ディングノートを書き始めました。当初は父や妹を亡くした悲しみの中で向き合ったものでしたが、書き進めるうちに人生が加速しました。
縁ディングノートには確かに無限の力があります。しかし、その力を活かすためには、目的を明確にし、注意すべき点を押さえることが重要です。今回は、その「無限の力ゆえに気を付けるべきこと」についてお話しします。
縁ディングノートの無限の力と活用の幅
縁ディングノートプランナーの前身資格である「縁ディングノート認定講師」を取得して以来、これまで延べ100回ほどのセミナーを開催し、様々な業種の方とコラボしてきました。人生に関わるすべての分野と縁ディングノートは結びつくため、関係のない業種はないとも言えます。これが、このノートの持つ無限の力のひとつです。
また、縁ディングノートには、書くことで初めて気づく力があります。著者自身、父と妹を相次いで亡くした際、「死」に向き合いたくて書き始めました。当時は35歳であり、自分の死や終活、相続を目的として書いたわけではありません。しかし、書くことで「グリーフケア」の力と「今を生きることの大切さ」に気づきました。
この「書いたらわかる」という力は素晴らしいものですが、一方で目的を見失いがちになる危険もあります。セミナーで「なんでもいいから持ち帰ってほしい」と伝えてしまうと、テーマがぼやけ、講師側が「確かに大切だけれど、今伝えるべきことなのか?」と感じてしまうことがあります。受講生も、なんとなく書けたけれど…と手応えが薄くなりがちです。
縁ディングノートセミナーの可能性と実例
世の中に「エンディングノート」は広く認知されていますが、知識を得る目的ではないセミナーは特に人気があります。
例えば、とある不動産会社から依頼されたオンラインセミナーでは、申込上限100名近くに達し、6回の開催でも60名をきったことは一度もありませんでした。これは、講師が無名であっても多くの人が関心を持っている証拠であり、縁ディングノートの持つ無限の力を示しています。
このセミナーの集客方法として、初めから「女性のための~」「〇歳から始める~」と条件を絞らずに開催することをおすすめします。広く開催することで、地域や時間帯による参加者の特性が見えてきて、自分のターゲット層を明確にする手助けとなります。
著者自身も全国各地で一般向けのセミナーを多数開催してきましたが、場所や時間帯によって集まる層が大きく異なりました。
● 都心部・平日昼間:40代〜50代の独身女性が多く、親の終活や相続が気になり始めている層。
● 郊外・協業者との開催:子どもが巣立ち、セカンドライフを考え始めた40代〜60代の夫婦。
● 郊外・交通の便が限られている場所:配偶者を亡くし、子どもは都心に住んでいる70代後半〜90代の単身高齢者。
● 地方・土日開催:男性ばかりのセミナー。
このように、時間や場所、協業者の影響でセミナーの参加者層が変わるため、「自分がどの層に何を届けたいのか」を考える必要があります。協業者がいる場合は、事前に目的を話し合い、参加者のニーズと提供できるサービスを一致させることが重要です。
無限の力を活かすために必要なこと
「量が質を凌駕する」という言葉があるように、まずはセミナーを開催し、経験を積むことが大切です。著者の受講生にも「とりあえずやってみましょう」と伝えています。
数をこなさなければ、自分の得意分野ややりたいことは見えてきません。これは、縁ディングノートの無限の力があるからこそ感じることでもあります。しかし、目的がぼやけると、開催の意義を見失いかねません。
そこで、「どんな人に、どうなってほしいから、何を届けたいのか」という目的を明確にすることが求められます。また、セミナーを継続的に開催することで関係性が築かれ、自分の名前が広まり、必要なときに連絡がくるようになります。
縁ディングノートは無限の力を持っています。その力を活かすためには、ただ開催するだけでなく、目的をしっかり見据え、伝えていくことが大切です。
まずは一歩踏み出してみませんか?セミナーを開催することで、新たな気づきや出会いが生まれ、あなた自身の学びにもなります。大切なのは完璧を目指すことではなく、縁ディングノートの力を信じて、誰かの未来をより良いものにするきっかけを作ることです。
(文責:理事 髙橋美春)