はじめに

明日が来ることは当たり前ではない・・・疑うことなく毎日を過ごしてきた私が、ある日突然、夫を亡くしたことで改めて気づかされた言葉です。

 

失意の底にいた私でしたが、たくさんの人の励ましとご縁をいただき、現在、相続コンサルントとして活動をしています。

 

そして縁ディングノートに出会い、自分のように辛く大変な思いをする人が少しでも減るように、相談会やセミナーを開催し、自身の経験をもとに、生前対策に役立つツールとして縁ディングノートのお話しをさせていただいています。

思いを聞けなかった

夫は生前、保険会社に勤めながら、相続コンサルタントとしても自身の会社を立ち上げ、日々仕事に奮闘していました。私もダブルワークで事務方として手伝いをしていました。 

数年前に子どもが独立し、お互いの親のこと、自分たちの老後のことについて考える時期であることは認識していましたが、お互い忙しさからじっくり話す時間が持てずにいました。

 

そんな中、夫との別れが突然やってきました。最後に何も言葉を交わすことができず、悔やんでも悔やみきれない思いでした。

 

頭が真っ白になり、すぐには現実を受け入れることができませんでしたが、人が亡くなると、葬儀の手配や友人・知人への連絡、役所への届け出をはじめ、手続きや手配は山のようにたくさんあります。そして待ってはくれません。

 

自分の気持ちは横に置き、ただ無我夢中で、時間に猶予のない中でたくさんの決断をしました。それは家族の判断で決めたことで、本人の想いはわからないまま、進めていくしかありませんでした。

*縁ディングノートがあれば

一橋代表に訃報の連絡をしたとき、即座に「縁ディングノートがあるはず」と言われ、私は部屋中を探しましたが、書いた形跡はありませんでした。 夫は縁ディングノートの大切さを充分に理解していたはずですが、自身がまだ若かったことと、日々の忙しさで書くことを先延ばしにしてしまったのだと思います。 

葬儀が終わり、相続手続きも落ち着いた頃、真っ新な縁ディングノートを見てみると、自分の生い立ちから思い出や好きなもの、財産のこと、健康の事、どんな最後を迎えたいか、家族へのメッセージなど、たくさんの項目がありました。ここに書いてあることがわかっていれば、夫の想いを最大限に尊重することができたのだと気づき愕然としました。 

皆さんのまわりに、縁ディングノートは「大切」「必要」と思っていながら、書くことへの一歩を踏み出せていない方がいるのではないかと思います。

 

我が家のように突然ではなくても、事故や病気で寝たきりになることもあります。また、認知症になってしまったら意思の疎通が困難となり、想いを残すことが難しくなってしまいます。

 

ですから、元気な時に書いていただきたいし、決して「書くのはまだ早い」ということはないのです。

*縁ディングノートは人生のマストアイテム 

自分の想いを残したいと思っても、それを言葉にするのはなかなか難しいものです。

 

縁ディングノートは、人生を振り返りながら「棚卸し」と「整理」を繰り返し、そして未来を見つめて書いていきます。

 

そして、一人で書くよりは、ご家族や友人と一緒に会話をしながら書くことで、忘れていたことを思い出したり、大切なことに気づいたり、様々な相乗効果が生まれてきます。

 

想いを言語化することで、改めて自分の考えを認識することができ、これからの人生を見つめ直すこともでき、さらに充実した毎日を過ごすことができる、まさに「人生のマストアイテム」だと思っています。

おひとり様にもお役立ちのツール 

現在、日本は人口が減っていく一方で、出生率も低下、おひとりさま世帯が増えてくると言われています。

 

親戚は遠方で、ご近所とのお付き合いもあまりない・・となると、もしもの時にどうしたらいいか不安を感じてしまうと思います。 

緊急時の連絡先や、自身の医療情報、そしてお墓や葬儀について、財産についてなど、「どうしたいのか」「それを誰にしてほしいのか」を縁ディングノートに書きながら、ひとつひとつ整理していくことはとても重要です。 

また、書くことで、何が足りないかも見え、「気づき」となります。 

 

専門家に相談をしながら進めていただくと、問題点が明確になり、解決へのアドバイスをすることができますので、より効率的です。 

*最後に 

ここまで読んでいただき、縁ディングノートの大切さを少しでも感じていただければ幸いです。 

 

これからもたくさんの出会いやご縁を大切に、縁ディングノートプランナー、相続コンサルタントとして、日々精進して参ります。 

そしていつか皆さんと一緒に縁ディングノートを書ける日が来ることを楽しみにしています。