第2回でもお話ししましたが、
投資は自己責任。 そう思って運用されている方は多いと思います。
ただし相続が起きると、 その「自己責任」は、 何の説明もないまま家族に承継されます。
そして、 ここでもう一つ、 多くの方が見落としている現実があります。
証券口座が事実上「動かせなくなる」のは、 亡くなったときだけではありません。
認知症になったときも、 「動かせなくなる」状況が起こります。
証券会社は、 名義人本人の意思確認ができなくなると、 売却や出金といった取引に
慎重にならざるを得ません。
たとえ家族であっても、
「代わりに売ってほしい」
「今は動かさないと困る」
と言っても、 簡単には対応してもらえないのが現実です。
つまり、
口座は名義人が生きていても、 実質的に“凍結”状態になる
ということです。
しかも、この間も 有価証券の値動きは止まりません。 日々変動します。
家族は、
・下がっているけれど、どうにもできない
・このまま持ち続けて大丈夫なのかわからない
・判断できないまま、時間だけが過ぎていく
そんな状況に置かれます。
亡くなった後の相続であれば、手続きさえ整えば名義変更ができますが、
認知症の場合は “生きているのに動かせない” という戸惑いが、 家族の心理的負担を大きくします。
投資の判断は、 ある日突然、家族に引き継がれます。
それは、 亡くなったときだけではありません。
認知症によって、 本人の判断ができなくなった瞬間から、 同じ問題が始まります。
筆者が相続や承継の現場で感じるのは、 このときに問われるのは 「運用成績」ではなく、
家族が、 その状況を想定していたかどうか だということです。
縁ディングノートは、 未来をすべて決めるためのものではありません。
ですが、
・認知症になったら、口座はどうなるのか
・判断ができなくなったとき、誰が困るのか
この前提を 家族が知っているかどうかで、 その後の負担は大きく変わります。
口座が動かせなくなるのは、 亡くなったときだけではありません。
元気なうちにしか、 共有できない情報がある。
それを伝えるためにも、
有価証券は 「相続の話」としてだけでなく、 今後の暮らしの話として考えておく必要があるのです。
有価証券について、 相続だけでなく 認知症も含めた承継を考えたい方は、
有価証券の承継・相続に強い 縁ディングノートプランナー 髙橋美春にご相談ください。
次回予告
※次回掲載日:10月13日
次回は、
有価証券を引き継ぐために、
事前にどんな準備ができるのかについてお話しします。
難しい制度の話ではなく、
「これくらい知っていれば、
家族で話しやすくなる」
そんな視点で整理していきます。
有価証券について、
何から話せばいいかわからない方にこそ、
読んでいただきたい内容です。