こんにちは! 縁ディングノートプランニング協会理事の上木拓郎です。今日は40代を迎えた中小企業の経営者の方々にとって、縁ディングノートの作成がなぜ重要なのかをご紹介します。

1. 40代が「縁ディングノート」を考え始めるべきタイミング

40代、まだまだ現役でバリバリと働いている方が多い時期ですよね。でも、このタイミングこそが、将来のことを考える大切な時期でもあります。会社を次の世代にどう引き継ぐか、家族の生活をどう守るか、万が一に備えてどう準備をするか…。

 

「縁ディングノート」という言葉を聞いたとき、多くの方が「終わりの時に書くもの」と考えるかもしれません。でも、実はそれだけではありません。縁ディングノートは、自分の意志や希望を伝えるための手段であり、会社や家族を守るための大切なツールでもあります。

2. 縁ディングノートで「後悔しない人生」を送る

縁ディングノートを作成することの最大のポイントは、何よりも自分の「後悔しない人生」を送るためです。自分がどのような形で人生を終えたいか、またそのために何をしなければならないのかを整理することで、今後の生き方に対してより一層明確な方向性を持つことができます。

 

特に経営者の場合、ビジネスを成功させることに注力するあまり、家庭や個人の部分が後回しになってしまうこともあります。しかし、家族や従業員に何かあった場合、思いがけない混乱を招くことも。縁ディングノートはその混乱を避け、スムーズな引き継ぎや意思の伝達を助けてくれます。

3. 事例:縁ディングノートを残さなかった経営者の急死が引き起こした混乱

例えば、42歳の男性経営者Aさんの事例を考えてみましょう。Aさんは忙しい経営者として、日々の業務に追われていました。まだ若い年齢だったため、健康に不安を感じることはなく、将来のことを深く考えることなく過ごしていました。

 

しかし、ある日突然、Aさんは急死してしまいました。事前に「縁ディングノート」を残していなかったため、家族や従業員は大きな混乱に見舞われました。特に、会社の将来について何も伝えられていなかったため、後継者は誰か、事業の方向性はどうするのか、何を優先すべきかが全く不明な状態となりました。

 

その結果、従業員は動揺し、会社の運営が不安定になり、売り上げも急激に下がってしまいました。また、家族も経済的な不安を抱え、遺産相続や事業の引き継ぎに関する問題に直面しました。Aさんの家族は、何も準備をしていなかったことで、精神的にも経済的にも大きな負担を強いられることになったのです。

 

このような事例を見て、やはり「縁ディングノート」の重要性を改めて感じさせられます。事前にしっかりと準備しておくことで、家族や従業員に不安や負担をかけず、スムーズな事業承継や引き継ぎが可能になるのです。

4. 「事業承継」を円滑に進めるために

中小企業経営者にとって「事業承継」は避けて通れないテーマです。特に子どもや後継者がいる場合、ビジネスをどう引き継ぐかを考えることはとても大事な問題です。しかし、その際に意識しなければならないのは、ただ単に「事業を引き継ぐ」だけではないということ。
後継者がどうしても引き継ぎを望まない場合や、経営がうまくいかない場合に備えて、縁ディングノートで自分の希望を記しておくことが重要です。例えば、事業を売却したいのか、誰かに譲りたいのか、または廃業を選ぶのか、その判断を後々の家族に伝えることができます。

 

事業承継に関する意思を事前に書き記しておくことで、遺族や社員が無駄に混乱することなく、スムーズに次のステップへ進むことができるのです。

5. 家族への「感謝の気持ち」を伝えるために

企業経営は時に忙しく、家族との時間が取れないことも多いかもしれません。しかし、企業が成長する陰で支えてくれているのは家族の存在です。縁ディングノートは、そんな家族への感謝の気持ちを伝える大事なツールでもあります。

 

特に長年、仕事に没頭してきた経営者にとって、家族への思いを言葉にして伝えることは意外と難しいかもしれません。しかし、縁ディングノートを使ってその気持ちを整理し、後悔のないように伝えることで、家族との関係もより深く、意味のあるものになるはずです。

6. 知っておきたい!縁ディングノートに含めるべき内容

縁ディングノートには、主に以下の項目を含めることが推奨されます。

 

  • 事業承継に関する意向:自分の会社をどのように扱いたいか、後継者が誰か、売却したい場合はその意向など。
  • 財産や資産の管理:所有する不動産や株式、貯金などの情報を整理し、家族や後継者に伝える。
  • 医療・介護の希望:自分がもしも意思表示できない状態になった場合に備え、治療や介護の希望を記載しておく。
  • 家族へのメッセージ:感謝の気持ちや、遺言に関する内容を記載しておく。

 

これらの項目を縁ディングノートにまとめておくことで、自分が望む形での事業や財産の引き継ぎが可能となります。

7. まとめ:40代からの「縁ディングノート」作成

40代というのは、経営者としても個人としても人生の中で重要な転換期となる時期です。まだまだ元気で働いているからこそ、先々のことを考えて準備しておくことが大切です。縁ディングノートは単なる「終わりに向けた備え」ではなく、これからの人生をどう生きるか、そして後悔しないように生きるための大切な一歩です。

 

今から少しずつでも縁ディングノートを作成していけば、未来の不安を減らし、家族や社員にとっても安心感を与えることができます。まずは、気軽に自分の想いを綴り始めてみましょう。それが、きっと素晴らしい人生への第一歩となりますよ。
どうぞ、皆さんも自分のため、家族のために、この機会に縁ディングノート作成を検討してみてください!